浜名湖フォークジャンボリーアーカイブス

  

昨年の第7回浜名湖フォークジャンボリーは62組という史上
最大の出演組数となりました。

その中の一組、NIIGATA（新潟）フォークジャンボリーの仲
間たちと一緒に出演いただいたのが仙台の音（おん）ちゃん
でした。

短い出演時間の中でいかにたくさんあの頃を歌うか、NIIGAT
Aのみなさんはフォークソングをメドレーで歌います。
その中で音ちゃんが歌ってくれたのが「青葉城恋唄」でした。

仙台城は青葉城として親しまれています。私たちはこの歌で
美しい仙台を知ったのです。

東北関東大震災で傷ついた仙台の人たちと街を私たちは想い
ます。歌に歌われるほど誇らしい美しい街をつくり継いでき
た仙台のみなさんにはこの歌がある。

私たちはその歌のとおりに仙台のみなさんが街が蘇ることを
信じています。

私たちは「青葉城恋唄」を歌いましょう。
きっときっとまたこの歌を歌う仙台のみなさんに出会えるよ
うに祈りましょう。
そしてできることをしてきましょう。  

全国どこに住んでいても私たち青春の心はみな同じ、私たち
の青春の原風景を歌い、私たちに「そうだそうだ」と思わせ
てくれたのが岩手県出身のNSPの歌でした。

浜名湖フォークジャンボリーはガンバレ東北と東北出身のフ
ォークシンガー、グループの歌を歌って応援したいと考えて
います。

深夜にラジオで流れてくるフォークソングを全国の同世代が
聴いていました。フォークソングをラジオで聴いて覚え、お
こずかいを貯めてLPを買った。

そしてステレオを持っている友達の家で聴き、そのLPを貸し
借りして歌を覚えていったのです。

NSPの歌に「がんばれやせがえる」という歌があります。
「むかし柳の下にやせがえる」からはじまる一所懸命なかえ
るを歌もまた私たちを応援する歌のひとつでした。

学生たちはまだ人生のなにをも持っていませんし、やせた胸
細い腕しか持っていません。けれども何かやれるはずという
未来への希望を持っていました。

恋という言葉は知っていたけれど、うまく恋をすることなど
誰も知らず、人しれず胸を焦がしていた時代でした。

ただ今目の前にある部活動で汗を流したり、思いを語って徹
夜してみたり、誰もが共通の上手ではない恋を語ったりして
いたものでした。

NSPの歌は私たち学生の心の原風景の中に流れていました。
どんなに有名になっても天野滋さんの書く歌は高校生のまま
の私たちの心を代表していました。

そして私たちは彼のように不器用に生きてきたのです。

ガンバレ岩手、天野滋さん死すとも私たちは彼の残した多く
の歌を今も歌っている。
決して変わらない私たちの心を今も一緒に歌っているのです。

そしてNSPを生んだ岩手県を私たちは愛している。
あの歌の生まれた郷土を応援しているのです。

みんなでNSPの歌を歌いましょう。  

浜名湖フォークジャンボリーでもよく歌われる「春夏秋冬」は
泉谷しげるさんの名曲です。

今回とりあげたのは東北出身のフォークシンガーの歌を紹介す
ることで歌で応援することができないかと考えたからでした。

泉谷さんは青森県出身の両親の間に生まれ、ほとんど東京で暮
らしていたそうですから厳密には青森県ではありませんが、彼
の歌には東京よりもっと土くさくも思う。

そして風に吹かれながらも世の流れに口をゆがめて我慢しなが
らも飄々としているようにも思う。
行き方を表すような歌は今も広く歌い継がれています。

泉谷さんのギターには傷が多くあります。歌うとともにそのス
トロークは心あらわすように強くかき鳴らされる。
ステージで弦が切れたこと、切れても歌い続けたというエピソ
ードを聞いています。

その歌の中に誰もが口ずさめる「春夏秋冬」があります。
どんな時代でも強く生き続ける私たちは、その苦しみや悩みを
そのまま表すより、飄々としていたい。
またそんな人に憧れてこの歌を聴いていた。

そして泉谷さんのようになろうとその歌を歌ったのです。

東北出身のフォークシンガーはきっと多いはず、その歌を見つ
けその歌を歌ってみるのも、私たちの強い応援になるように思
います。

どんな時代も強く行き続ける私たちは歌に勇気を求めていたり
もする。
歌うことでその時代の春夏秋冬をすごしてゆく。
歌こそが勇気のもとになることもあるのです。

春夏秋冬を歌い、私たちは東北の仲間たちを思いましょう。
そして東北出身のみなさんの歌を教えてください。
その歌は強い東北の心を持っていると思うのです。